片頭痛・緊張型頭痛を予防するセルフケアの方法(頭痛連載⑤)

頭痛の原因は西洋医学的には三叉神経の過敏さで、頸部筋のこりが一役かっている、東洋医学的には氣の不足であると説明してきました。今回はセルフケアでこの原因である頸部筋のこり予防および、氣の補充方法をお伝えいたします。

首のこり予防に天柱マッサージ

首の後ろに天柱(てんちゅう)というツボがあります。

ここは、頭痛の鍼灸治療で必ずターゲットにする頭板状筋という筋肉があります。また、僧帽筋やその深部の頭半棘筋といった筋肉の外縁にもなっています。

天柱は複数の筋肉が膜で連結する部分であるため、この部分を緩めておくと、それぞれの筋肉が活動するときに動きやすい状態になり、筋肉の負担を減らすことができます。また、動きやすい状態になると、筋収縮による血流も促されるので、循環状態も良好になり、こりの改善や予防につながります。

この天柱を、気持ち良いくらいの強さで10秒間押しましょう。写真のように、手を組んで親指で挟むようにすると押しやすいです。
天柱マッサージは、朝昼晩の3回、それぞれ10秒間3セット行いましょう。

首の負担軽減にタオルポール

首にこりができてしまう理由はいくつかありますが、ほとんどのパターンでは、背骨の柔軟性が低下し、その動きを代償するために頸部筋に過剰な負担がかかっています。同時に腰部筋に負担がかかっていることも多くあります。
そんな時は、タオルポールで背骨の柔軟性を改善しましょう。

市販されているストレッチポールの代わりに、タオルケットを用いることが可能です。

やり方は非常に簡単で、丸めたタオルケットの上に後頭部から腰のあたりまでをのせます。手や足の位置は自由ですが、気持ちいいな、と思えるポジションがいいです。

10分間、スマートフォンなどは見ずに呼吸を楽にして行ってください。タオルは床の上など、硬いところに置いて行ってください。

行うタイミングは一日の終わりがおすすめです。緊張がとれて眠りやすい状態にもなります。

呼吸で余計なものを排出し、氣を充足

氣の補充方法の基本は、呼吸、食事、睡眠、保温となります。この中でもセルフケアとしておすすめするのは呼吸と保温です。食事は制限をしてしまうと逆にストレスになってしまいます。呼吸と保温のセルフケアを行っていくと、睡眠の質も高めることにつながります。

東洋医学での呼吸は、単純に天の氣を取り入れるだけでなく、活動の結果生じた濁った氣をを外に出す働きもあります。この「濁った氣」には、精神的な活動の結果生じたものもふくまれます(もやもやした気持ちなど)。したがって、ため息をつくことは非常に重要です。幸せは逃げていきませんので、どんどんため息はついていきましょう(笑)。

まずはしっかり吐くことを意識した呼吸を行います。

椅子にすわり、足は床につけましょう。(写真①)お尻の骨の下の一番出っ張っている坐骨で座ります。背筋はピンと伸ばさなくて結構です。楽にしましょう。軽く鼻から吸い、口からゆっくり息を吐き切ります。吐き切った後は自然に空気が入ってくるのを胸やお腹で感じましょう、あくまで自然に空気が入ってくるのを意識して、頑張って息を吸わないように心がけます。この深い呼吸を5回ほど行います。

次は姿勢を変えて行います。写真②のような姿勢をとりましょう。この姿勢にすると、肋骨の前側の動きが制限されます。また、足の裏を手で内側からつかむことで、よりリラックスし、背中から腰が呼吸によって動きやすくなります。呼吸のときに今度は背中や腰、お腹の動きが先程より大きくなるので、そこの動きに意識をもっていきましょう。自分で背中や腰、お腹を動かす必要はありません、呼吸により、その部分が動いているなあと感じられればOKです。このときの呼吸の方法は先程の深い呼吸ではなく、通常の呼吸で大丈夫です。1分間行いましょう。

行うタイミングはいつでもいいです。2つ続けて行わなくても大丈夫です。気づいた時にこまめに行えるのが良いと思います。

お腹の湯たんぽで体をゆるめて氣を補充

体を温めるという行為は氣を増やすことにつながります。気体が熱により膨張するようなイメージです。

おすすめの道具は湯たんぽです。私は治療院で湯たんぽを使うときもあるのですが、天然ゴム製のsanger社のものを使用しています。

温める場所は気持ちがいいなと思うところだったらどこでも構いませんが、こちらはおすすめとしてはお腹です。お腹(消化器)は東洋医学の五臓でいうところの脾に該当します。お腹を温めて、脾が十分働けるようにしてあげることは、消化器がしっかりと働くことができる=体が回復モードに移れる=体が緩む状態になることを意味します。自律神経の副交感神経活動によるリラックスというイメージでも結構です。体が緩めば氣も増えやすい状態になるので、お腹の湯たんぽは緩み効果に加えて氣の補充効果と一石二鳥です。

夕食前かお休み前のリラックスタイムの手前がおすすめです。15分程お腹の温かさを感じてゆったりしてください。もちろんスマートフォンは使用せずに。氣が散ってしまいますので(笑)。

まずは1種目2週間の継続を!

以上、西洋医学および東洋医学的な頭痛の原因に対して、4つのセルフケアをご紹介させていただきました。これら4つすべてできなくても大丈夫です。どれか取り入れやすそうなものを試してみて、気持ちいいなと感じられたらまずは2週間継続しましょう。

継続していると、頭痛の程度や頻度が目に見えて減少する前に、目覚めのすっきり感や便通、体のこり感など、日々の生活のなかで変化が感じられるようになってきます。大きな変化は、次の季節やその次の季節に現れてきますので、2週間の継続で変化がみられましたら、セルフケアを続けてください。そのときは種目を増やしてもいいと思います。

2週間で何も変化が感じられないようでしたら、ぜひCINQへ一度お越しください。鍼灸治療でセルフケアが効きやすい状態にお体を整えながら、頭痛の原因や予防に多方面から提案をさせていただきたいと思います。

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投稿者プロフィール

萱間 洋平
萱間 洋平
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・医学博士・慶應義塾医学部漢方医学センター非常勤講師
慶應義塾理工学部物理学科→製薬会社→鍼灸師・鍼灸学校教員→学位取得→独立
鍼灸のある風景を探していたら学校教員から学位取得まで至りました。現在は自分なりの鍼灸のある風景を実践するために、自由が丘で間借り開業をするかたわら、慶應義塾大学病院やCINQでの診療、専門学校講師をしています。
症状はからだと心のサインです、東西医学の観点から、根治あるいは症状緩和への道のりをサポートしていきます。
料理が好きなのですが、時間がないのでYoutubeでレシピ動画をみてエアクッキングをするのがマイブーム。
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