更年期に睡眠の質が低下【原因と効果的なツボ押しの方法】

こんにちは。CINQ(サンク)の髙橋裕美です。

今回は、閉経期の女性に効果を発揮した、睡眠の質を高めるセルフマッサーをご紹介します。
閉経期の女性に限らず睡眠改善に効果的なツボなので、困っている方はぜひ試してみて下さい。

すべて自分で押すことのできるツボです!
あん摩マッサージ指圧師の私が、詳しいツボの位置と正しいマッサージのやり方をお伝えします。


更年期・閉経期とは?

更年期と閉経期

更年期・閉経期は、個人差もありますが、だいたい40歳~55歳の間に訪れます。

徐々に卵巣の活動が低下していき、1年以上月経がこなくなったときに初めて「1年前に閉経した」ということがわかります。

更年期は、閉経前5年~閉経後5年の約10年間を指します。
その中でも、閉経に向かって体が変化し始めてから閉経するまでの期間閉経期と呼びます。

月経は、女性の体が妊娠するための準備を毎月行うことで起こる現象です。
逆に閉経は、妊娠・出産するための機能を停止することで起こる現象です。

妊娠・出産というのは、女性の体にとても大きな負担がかかります。
閉経は、女性の体を守るために起こる自然な変化ということができます。


閉経期に睡眠の質が低下する理由

更年期障害とは

閉経期には、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少する時期があります。

エストロゲンは卵巣で作られているので、脳は卵巣に向かって「もっとエストロゲンを作って!」と命令を送ります。しかし、卵巣の機能は閉経に向かって低下していっているので、脳の命令に応えることができません。すると脳は、「もっとエストロゲンを作って!!」という命令をさらに送ります。でも当然、卵巣はそれに応えることができません。

脳は、体に命令を出すのが仕事なのに、体がそれに答えてくれないのでパニックを起こします。
その結果、体や心に様々な症状が現れます。これが良く耳にする「更年期障害」です。

更年期障害で最もよく起こる症状の一つに、ホットフラッシュがあります。
ホットフラッシュとは、突然ものすごく汗が出たり、顔や上半身がほてったりする症状のことです。
卵巣に命令を出す脳の部位(視床下部ししょうかぶ)は、体温調節を行う中枢でもあるため、このような症状が起こります。ホットフラッシュが夜に起こると、当然睡眠の質は低下します。

また、視床下部は怒りや悲しみといった感情の動きの中枢でもあるので、卵巣機能の低下とともに精神的が不安定になり、深く眠れなくなることもあります。
そして、視床下部はそもそも、睡眠などの本能による行動の中枢でもあるので、直接的に影響を受けることも考えられます。

このような理由で、閉経期に睡眠の質の低下を感じる女性はとても多いのです。


閉経期の女性の睡眠の質がツボ押しで改善

2015年に120人の閉経期の女性を対象に行われた研究では、睡眠の質が4週間のマッサージで改善したという結果が出ています。

41歳~65歳の閉経期の女性に、金曜日以外の週6日、就寝の1~2時間前に10分以内のマッサージ(ツボ押し)を自分で行ってもらい、睡眠の質がどう変化するかを調べたものです。

睡眠の質の変化は、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)で評価されました。

その結果、「正しいツボにマッサージをしたグループ」は「何もしなかったグループ」よりも+39%質問票の点数が改善し、睡眠の質が上がったことがわかりました。
また、「ツボからずれた場所にマッサージをしたグループ」と比べると、+24%質問票の点数が改善しました。

このことから、睡眠に効くツボへのセルフマッサージは、睡眠の質を高めるのに効果的ということが言えます。


睡眠の質を改善するのに効果的なツボ

上記の研究で使用されたツボは以下の4つです。印堂以外は左右両方にツボがあるので、マッサージする場所は計7カ所です。
これらのツボは、この研究だけでなく、睡眠を改善するツボとしてよく使用されています。

神門(しんもん)

神門は、心経しんけい(心の気の流れ)上にあるツボです。
しんは、精神の働きとの関係が強いので、情緒を安定させたい時にも使えるツボです。
(心と不眠の関係については下のブログに詳しく書いています)

東洋医学で考える不眠【3つのタイプと改善方法】

こんにちは。CINQ(サンク)の高橋裕美です。 皆さんは、よく眠れない時、どうしていますか?ネットで対処法を調べたり、市販薬を飲んでみたり、ひどい時は病院に行ったり…

では、神門の場所を確認しましょう。

神門
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神門

場所:手首のしわの上。小指側にある小さな丸い骨(右上にある絵の青い骨)のふちで、押した時にへこんでいるところ。

探し方:手首のしわ(小指側)の上に、反対の手の親指を置きます。すると、明らかにでっぱっている骨があるのがわかります。その骨を親指側にのりこえるとへこんでいるところがあります。そこが神門です!

三陰交(さんいんこう)

三陰交は、脾経ひけい(脾の気の流れ)上にあるツボですが、脾経・腎経じんけい肝経かんけいの3つの気の流れが交わっている場所でもあります。そのため、三陰交はたくさんの症状に効果的で、よく使われるツボbest3に入るといっても過言ではないでしょう。

特に有名なのは、生理痛の緩和血行促進女性ホルモンの分泌促進といった効果です。
睡眠改善以外でも使う機会の多いツボなので、女性は特に覚えておくと良いでしょう。

三陰交の場所
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三陰交

場所:内くるぶしの真ん中から、指4本分上。脛の骨とふくらはぎの筋肉の間のくぼみ。

探し方:座った状態で、足を膝の上にのせると探しやすいです。手の人差し指~小指を4本そろえて、小指の側面が内くるぶしの真ん中に当たるように置きます。すると、人差し指の側面の高さに三陰交はあります。ちょうど骨と筋肉の間で、押してみるとくぼんでいたり、痛みがある場所はありませんか?そこが三陰交です!

風池(ふうち)

風池は、胆経たんけい(胆の気の流れ)上にあるツボです。
胆は消化機能を助ける働きがあるほかに、決断や心の落ち着きにも関係が深いと東洋医学では考えられています。

不眠以外に、頭痛目の疲れの改にもよく使うツボです。

風池の場所
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風池

場所:後頭骨の下で、胸鎖乳突筋きょうさにゅうとつきん(右上の絵の外側の青い部分)と僧帽筋そうぼうきん(右上の絵の真ん中の青い部分)の間にあるくぼみ。

探し方:首の後ろを下から触っていくと、ちょうど耳の下くらいの高さで頭の骨にぶつかります。真ん中から2~3cm外側に、くぼんでいる場所があります。そこが風池です!頭の中心に向かって押すと、痛気持ちいい感覚があると思います。

印堂(いんどう)

印堂は、経脈(臓器とつながっている気の流れ)には属していないけれど、経験的に効果の高いと認められているツボの1つです。
不眠だけでなく、頭痛鼻の症状がある時にも使うツボです。

印堂の場所

印堂

場所:眉間の中央のくぼみ。

探し方:ここは、眉と眉のちょうど真ん中なので、簡単ですね!


正しいツボの押し方

ご紹介した研究では、「直径1㎝の円をくるくる描くように、3~4㎏の圧で痛みのないように指で押す」という方法をとっています。

この方法は、日本でいう、あん摩マッサージ揉捏じゅうねつという手技です。
指圧の場合は、くるくるせず、皮膚に対して垂直に圧をかけます)

今回使っているツボは、すべて親指で押すことができる場所なので、母指揉捏ぼしじゅうねつ(親指で圧をかけながら揉む手技)の方法をご紹介します。

あん摩・マッサージ(母指ぼし揉捏じゅうねつ)の正しいやり方

  1. 親指をツボの上にあてる。ほかの指は、そえるように体にあて、手がブレないように安定させる。
  2. 皮膚に向かって垂直に、親指で圧を加える。
  3. 気持ち良いくらいの深さまで圧をかけたら、その深さを維持したままゆっくり3~4回、大きく円を描くように指を動かす。
  4. 一か所につき約1分間、リズムよく繰りかえす。

※痛みやしびれの出ない強さで行って下さい。気持ち良い強さが一番効果的です

研究では、週6日の頻度で4週間、就寝の1~2時間前に10分以内のマッサージを行って、効果を発揮していました。「マッサージは最長で10分」という条件での研究だったので、実際に行う際は各ツボ1分計7分程度で良いと思います。
まずは、ご自身のペースで無理なく行ってみて下さい。

一番大事なのは継続することです。
運動や食事と同じように、1日で体に劇的な変化をもたらすことは難しいです。なぜなら、体には恒常性こうじょうせいといって、体内の状態を一定に保とうとする機能が備わっているからです。

睡眠の質を上げて、毎日をより快適に過ごすために、まずは1ヶ月チャレンジしてみて下さいね!

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投稿者プロフィール

髙橋 裕美
髙橋 裕美鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・CINQ院長
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師。
早稲田大学スポーツ科学部卒業後、楽天で営業の仕事をしていましたが、鍼灸師になりたくてなりたくて我慢できず、転職しました。
大正15年から続く治療院や、有名美容鍼灸サロンでの施術経験、講師経験を経て、CINQ院長になりました。

歩くのが好きで、鎌倉の友人の家まで50km歩いて行ったことがあります。
痛みのない鍼と納得できる説明がモットーです。